ショッキングな事故が舞い込んできた。
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救急車が事故を起こして、同乗者を死亡させたという事例は聞いたことが無い。
少なくとも、ワイが消防士になってからは無かったものと記憶している。
いったい何が起こったんや・・・。
三陸道で起きた気仙沼消防の救急車死亡事故の概要
動画を見たい人はこちらのヤフーニュースをどうぞ。
三陸道で気仙沼消防署の救急車がトラックに追突し、6人の死傷者が出た事故を受け、気仙沼市の菅原市長が会見を開きました。
救急車を運転していた隊員は「気付くのが遅れた」と話しているということです。この事故は27日午後2時ごろ、
宮城県登米市東和町の三陸道で男性患者を救急搬送していた気仙沼消防署の救急車が2トントラックに追突したものです。
この事故で患者の付き添いで乗っていた気仙沼市の会社員・加藤君子さん(56)が死亡しました。
また、男性患者が重傷で、救急隊員3人とトラックの男性運転手が軽いけがをしました。
この事故を受け、気仙沼・本吉地域の消防本部の管理者である菅原気仙沼市長が会見を開き、亡くなった女性とその家族に謝罪しました。
菅原茂気仙沼市長「お亡くなりになられた方そしてご家族に心から深くおわびを申し上げたいと思います」。
救急車を運転していた24歳の男性隊員が上司に対し「左カーブでトラックの存在に気付くのが遅れた」と話していたということです。
警察は道路左側に寄っていたトラックを救急車が追い越す際に誤って追突したものとみて過失運転致死傷の疑いでの立件を視野に運転していた隊員から任意で事情を聴いています。
東日本放送
いやいや・・・。左カーブだからって、トラックの存在に気がつくのが遅れて追突するなんてちょっと違和感がある。
事故の真相は機関員本人のみぞ知るなわけだけど、救急車を運転する身として、ちょっと考察してみたいと思う。
どのような経緯で事故が起きたと考えられるか
ざっと考えてみた。ありきたりなものしか思い浮かばない。
・路肩に寄った車に気がつくのが遅れた?
・車間距離が短く、急に路肩に寄ったため対応しきれなかった?
・よそ見をしていた?
日中であること、天候的に視界が悪いわけでも無いため、事故を起こすような条件ではないことがわかる。そのため、どのような状況で事故が起きたか想像しにくい。
本人の証言は、「左カーブでトラックの存在に気がつくのが遅れた」
トラックの色も白で、路肩がコンクリートで固められているので、景色と同調して見えた可能性は否めない。
まぁ普通に注意している分には見誤ることは無いと思うのだけれでも・・・。
なぜ助手席に同乗者を乗せていた?
その前に、そもそもなぜ助手席に同乗者が乗っていたのか?うちでは普通は後部座席に同乗者を乗せる。運用としてはまず助手席に乗せることは無い。(本部によっては載せているところもある?)
考えられることとしては
・身内ではない同僚のため、処置を見るのを遠慮して助手席に同乗者が自主的に乗ると言った?
・元々そのような運用をしていた?
うーん、あまり思いつかない。
改めて事故の考察
事故の動画を見ると、助手席側のフロント角部分から内側に向けてえぐられているのがわかる。
これは追突したトラックの停車角度にもよるけど、路肩側から中央分離帯側にやや斜めに追い越しをしようとして追突したのが見て取れる。
完全に真っ直ぐぶつかった訳ではないということだ。
2トントラックなので路肩に寄った場合の、避けるスペースは十分であることを考えると、車に気がつくのが遅れ、かわしきれずに追突してしまったと考えるのが妥当か。
と思ってこの記事を書いていたら、ニュースで情報が入ってきた。
どうやら原因は機関員のよそ見運転だったらしい。
うーむ。これは弁明の余地無しか。
運転手以外に過失は無いのか
さて、通消防車に乗っている隊員全員で安全を確認し、その責任は隊長にあることがワイなりの認識ではあるのだが、実際はどうだったのだろう。
傷病者の容態にもよるが、実質後部座席にいる隊員が前方の安全を常に確認することは実質困難。というか無理。機関員以外の隊員も運転中前方に注意しろと本部は言うが、できるわけないじゃろうて。
機関員任せになるのは仕方がない。
でもまぁ、組織的には事故を起こした運転手以外も責任は逃れられないのかなーっていうのがワイ見解。そのうち記者発表でもあるでしょう。
おわりに
さて、救急車の機関員になる消防職員よ。
人の命を預かっているという認識を常に忘れること無かれ。事が起きてからでは遅いのだよ。
しかしまー、わき見運転が原因ってねー。
ワイも一切わき見運転しませんとは言わないけど、する場所ってのがあるでしょうよね。
気をつけましょう。